タクシー事業者による運行管理の下で地域の自家用車や一般ドライバーが有償で運送サービスを提供する「日本版ライドシェア(自家用車活用事業)」が10月1日、佐賀市内で始まった。
これまで道路運送法では、第2種運転免許を持たない人が有償で客の送迎ができなかったが、「日本版ライドシェア」では、国土交通省が指定したタクシーが不足している地域、時期、時間帯に不足車両を補うため、道路運送法第78条第3号に基づく国土交通大臣許可事業として、今年4月に解禁された。
佐賀市によると、市内事業者のタクシー運転手と車両は減少傾向で、2018年3月から今年3月までの6年間で、運転手が23%、車両が15%減少。今後の地域交通の担い手不足に対応し、市民や市への来訪者の移動手段充実の一環として、今回、「日本版ライドシェア」の導入に至った。
運行初日となった当日、佐賀市役所で出発式が行われ、坂井英隆佐賀市長、運行管理を担う「中央タクシー」の石田昭社長と「佐賀タクシー」の牛島尚子常務、九州運輸局佐賀運輸支局の末吉博昭支局長、佐賀県バス・タクシー協会の齊藤恭宏副会長が出席し、ライドシェア車両を送り出した。
利用にはタクシー配車用のスマートフォンアプリ「GO」が必要で、目的地などを入力し配車ボタンを押すと提携するタクシー会社のタクシーまたはライドシェア車両が配車される。ライドシェア車両は、自家用車やタクシー遊休車両を用意し、フロントガラスには「GOライドシェア」の表示灯を掲出。自家用車には車両の屋根に付くタクシーあんどんや自動ドアはない。運行日は、「国民スポーツ大会(国スポ)・全国障害者スポーツ大会(全障スポ)」「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が開催される11月4日までは毎日、11月5日以降は金曜・土曜を予定する。