アトリエ併設型ギャラリー「GENIUSLAB(ジーニアスラボ)」(佐賀市呉服元町、TEL 0952-77-0544)が4月15日、佐賀中心街の「656(むつごろう)広場」近くにオープンした。
「GENIUSLAB(ジーニアスラボ)」のオープニングセレモニーの様子
病気や障がいなどの理由から「働きづらさ」「生きづらさ」を抱える人がアーティストとして経済的社会参加を目指す就労継続支援型B型サービスを提供する「すみなす」(同)が、2020年2月に市内鬼丸町に開いたアトリエを移転。今回、ギャラリーを併設し、新たに開いた。
社長の西村史彦さんは、長男が足の骨が折れた状態で生まれるという障がいを抱えたことにうまく向き合えなかったり、当時就いていた仕事もうまくいかなかったりして、西村さん自身が生きづらさを抱えていた時期が長く続いていたという。しかし、長男が好きなことに熱中するなど、家族が幸せに生きている姿を見て、「落ち込んでいる場合ではない」と気持ちが変わったことで、「好きなこと、得意なことを社会に役立てることにつなげ、生きづらさの解消につなげたい」と2019年11月に起業。「生きづらさを面白さに転換する」をコンセプトに、精神・発達障がいのある人を中心とした、アート特化型就労支援サービス「GENIUS」を立ち上げた。最初からアートの才能を持った障がい者を採用するのではなく、アート活動未経験者でも個人の特性に応じてアートの才能を見いだし、プロの芸術家やデザイナーをアートコーチとして配置。伴走支援を行い、アーティスト活動につなげているという。
アーティストが増え、これまでのアトリエが手狭になったことと、アメリカン・エキスプレスが提供する中小店舗経営者支援プログラム「RISE with SHOP SMALL 2023」に採択されたことがきっかけで、今回、アトリエ併設型ギャラリーを開設するために移転を決めた。
今回開いた「GENIUSLAB」は、「誰もが自分らしさを認められる場所」をテーマに、29人のアーティストが活動する就労継続支援型B型「GENIUS」のアトリエとギャラリー、同施設が手がけるアート関連雑貨やアパレルブランド「fa」のショップから成り、施設入所者が焙煎(ばいせん)するコーヒーの販売も行う。
西村さんは「地域の人にアート鑑賞を楽しんでもらうことはもちろん、アーティストが制作に取り組む場に触れてもらったり、アーティストたちが焙煎するコーヒーを手にしてもらったりと、さまざまな顔を持つスペースに立ち寄ってほしい。アートやコーヒーを通じて、誰もが自分らしさを認められるような場を目指していきたい」と意欲を見せる。
営業時間は8時30分~17時30分。土曜・日曜・祝日定休。