「さがヲほる 佐賀県発掘成果速報展2023」が6月29日から、佐賀県立博物館(佐賀市城内1)3号展示室で開催される。
「さがヲほる」展示に合わせて「くまみね」さんが描き下ろし、その一部が6月25日に公開された「仕事猫」たち
2016(平成28)年に「発掘成果速報展」として開催して以来、今回が8回目となる同展。吉野ケ里遺跡をはじめ、県全体の約500カ所で行われる発掘調査の成果を県民向けに紹介できる場を設けようと、県文化課の文化財保護・活用室が主催している。2019年からは、より展示に親しみを抱いてもらおうと、同課の土井翔平さんの提案で「さがヲほる」に改名した。
イラストレーターの「くまみね」さんが描くキャラクター「仕事猫」とコラボすることで話題を集める同展。これまで足を運ぶことが少なかった20~40代の人々にも「さがヲほる」の存在や文化財保護活動への理解を深めてもらいたいと、SNSを用いて広報に力を入れることを決め、メインビジュアルに「仕事猫」を起用したという。土井さんは「SNSをはじめ、世間では空前の猫ブームが起きているので、猫のキャラクターを起用したいと考えた。ツイッター上にファンが多いことに加え、これまでに文化財関連事業や発掘調査とコラボした事例がないという意外性から『仕事猫』を起用することを決めた」と話す。
同展では「仕事猫」を起用したブックレットのほか、等身大パネルも用意して、発掘現場での活動や調査における「あるある」を紹介する。イラストは全て、今回の展示に合わせて「くまみね」さんが描き下ろした。「どのような調査を行っているのか、どのような道具を使うのかなど発掘現場や遺跡での活動はオープンになっていないことも多い。考古学者たちの日頃の活動についてもユーモアを交えて学んでほしい」と土井さん。「吉野ケ里遺跡の最新発掘結果や、昨年より発掘調査が始まった白石町の須古城跡の出土品など、同展の主役である展示品と共に話題を集めるものになれば」と期待を込める。
土井さんは「佐賀県の発掘事業や遺跡・文化財について、全世代で楽しく学ぶ『さがヲほる』を目指して、展示の内容はもちろん広報にも力を入れている。『仕事猫』とコラボするから、何かSNSで話題になっていたからなど、きっかけは何でもいいので気兼ねなく来館してほしい。地域の歴史が後世にもより良い形で残せるよう、佐賀県が力を入れていることを、展示から感じ取ってもらえれば」と話す。
開館時間は9時30分~18時。月曜休館。観覧無料。7月30日まで。