佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内2)で現在開催されている特別展「陸蒸気(おかじょうき)を海に通せ!」で、鉄道開業当時の硬券切符のレプリカが配布されている。
佐賀出身の偉人・大隈重信の没後100年と鉄道開通150周年を記念して開く同展。映像とパネル展示がメインの「外御書院(そとごしょいん) 四の間」と、実物資料を集めた特別展示室「御小書院(ごこしょいん)」で構成。日本初の鉄道開業のために活躍した大隈重信の業績のほか、大隈が建設を決めた日本初の海上線路・高輪築堤(たかなわちくてい)の遺構についても紹介する。
レプリカは同展のテーマ「日本初の鉄道開通」のシンボルとして配布する。大きさは縦3センチ、横5.7センチ。当時の記録を参考に、厚さ0.6ミリメートルの紙を使った。現在のグリーン車に当たる専用切符「一等切符」を再現し、台紙の色も当時と同じ白に合わせている。表面中央の「新橋ヨリ横濱 第一等」の区間表示や発券日を示す「0912」の印字、裏面の3カ国語で書かれた鉄道利用者であることを証明する文章は、当時の切符と同じ活版印刷で記した。
同館企画担当課の河野彩有里さんは「大隈重信の決断によって造られた高輪築堤を走る鉄道でも使われたであろう硬券切符。馬車や人力車が当たり前の時代に、さまざまな難題に直面しながらも日本初の大事業を成し遂げた若き大隈の、鉄道開業までの奮闘や決断力を、硬券切符と展示の内容から感じてほしい」と話す。
配布は1月23日までの土曜・日曜・祝日のみで、配布日毎に先着50人。「外御書院 四の間」前で引き換え券を受け取り、受付カウンターで提出すると交換できる。開館時間は9時30分~18時。観覧無料。同展は1月23日まで。