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佐賀大で美術・工芸課程卒業修了制作展 大学生活の集大成50点展示

第60回佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程卒業制作展・第22回修了制作展

第60回佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程卒業制作展・第22回修了制作展

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 佐賀大学美術館(佐賀市本庄町1)で2月19日、「第60回佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程卒業制作展」と「第22回同大学院修了制作展」が始まった。

第60回佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程卒業制作展・第22回修了制作展のはがき

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 2014年10月に同大本庄キャンパス内に開館した、全国でも珍しい国立大学の美術館である同館で卒業修了展を開くのは今回で3回目。白く明るい静かで穏やかな空間に、同大で美術・工芸を学んだ卒業生、修了生の大学生活の集大成である作品およそ50点が並ぶ。

 レースに花、ガラスの霧吹き、ぬいぐるみに革張りの本、そうした小物がちりばめられた白い部屋の奥、しゃれた赤い椅子にゆったりと座り、意志の強さを感じさせるまなざしをこちらに向けるゴシック&ロリータファッションの黒髪の少女――「その少女はフリルを身に纏(まと)う」と題したF150号の大作を4カ月かけて描き上げたのは同大美術・工芸課程西洋画専攻の藤井佳奈さん。画風が定まらないことに悩んでいた藤井さんは、卒業制作を通じて「なぜ油絵を描くのか」という自分の原点に立ち戻ることができたという。作中、印象的な少女の強い視線に込めた、「『かわいい』の何が悪い?」という思いは、藤井さんの「これまで」の集大成だ。

 ピンと背筋を伸ばし、身ぶり手ぶりでなにやら会議でもしているような7匹の陶器の猿たち――窯芸専攻の西川智成さんは進化論に着想を得て、「七つの世界は世界の七つ」を制作した。今を生きる生き物たちは進化の分岐の結果、現在の姿があるというだけで、皆平等。そこに優劣はない。愛嬌(あいきょう)たっぷりだが確固たる意志を持っているようなオナガザル科の猿たちの姿にも、その考えが表れている。

 県内外から集まった学生たちの進路はさまざま。卒業後は同大大学院に進学する藤井さんは「みんなが集まれば自然と絵や作品の話が始まっていた。佐賀大学に来て良かった」と話す。

 開催時間は10時から17時。入館無料。今月28日まで。

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