「七賢人の里 おへそ保育園」(佐賀市白山、TEL 0952-27-6566)が4月1日、認定こども園「おへそこども園」と「放課後学童クラブ おへそ学道場」を開設する。
佐賀を中心に調剤薬局「溝上薬局」を展開する「ミズ」が佐賀市の交流施設「エスプラッツ」の運営を引き受けた約10年前、近隣住民に「施設に何が必要か」のアンケートを採ったところ、「保育園が欲しい」という意見が最も多かったという。その要望に応えるために2011年、同施設内に同社運営の認可外保育園を立ち上げた。
園長には当時、県外の保育コンサルティング会社に勤めていた吉村直記さんが就いた。同社の溝上泰弘会長から「将来の佐賀を背負う人づくりで地元に恩返しをしたい」との思いを聞き、地元に戻ることを決めたという。
同園では、古賀空手道場(佐賀市高木町)に通い、国際大会入賞経験もある吉村園長が自ら教える「空手道」、考える力やコミュニケーション力を育てるため行っているという「こども哲学」や「論語」、違いを認めて楽しむという「国際理解教育」を柱に取り組んできた。「国際理解教育」での取り組みでは2016年、JICA(国際協力機構)が主催する「グローバル教育コンクール」で最高賞の理事長賞を受けた。
これまでの園運営経験を基礎に、佐賀市内の待機児童が解消していないという現状にも貢献したいと、今回、こども園の開設を決めたという。
開設予定場所は、佐賀市民会館(佐賀市水ヶ江)の西側のエリア約780坪の敷地に約290坪の園舎を新築。美術館やカフェのような雰囲気のデザインに、森のある園庭や昼食を楽しめるテラス、エントランスには保護者が自由に利用できるカフェも用意、園内には放課後学童クラブ「おへそ学道場」も併設する。開設を前に運営母体となる社会福祉法人「みずものがたり」を立ち上げ、現在の法人から運営を移管する。
吉村園長は「新しい園舎は当園が進める教育が生かせる設計を各所に施している。併設する学童クラブと合わせ0歳から12歳までの一貫した教育の場ができる。現在の『保育園』も0から2歳児の小規模認可園にリニューアルする。規模が大きくなる当園を通じて、佐賀の人づくりに貢献していきたい」と意欲を見せる。