佐賀県小城市の歴史や観光名所を紹介するウェブ漫画「おぎまんが」の原画などを展示する企画展「おぎまんが展」が1月29日から、市民交流施設「ゆめぷらっと小城」(小城市小城町)1階展示スペースで開かれる。
「おぎまんが展」のチラシ(左)と「おぎまんが」冊子第1巻(右)
福岡県大川市在住の漫画家・小城乃(おぎの)はなさん原作の「おぎまんが」は、小城市の魅力発信を目的に市の委託で広告代理店「エスプラン」(佐賀市鬼丸町)が運営するサイト「おぎゅっと」で2017年2月に配信開始し、現在は公式フェイスブックページとコミック総合サイト「pixiv(ピクシヴ)コミック」でも公開している。
小城について分かりやすくかつ面白くPRする手段として、ウェブ漫画の配信を思い立ったという営業企画部長の北村尚志さんが、親交のある小城乃さんに制作を依頼。これまでに約220話をリリースした一方、小城市の広報誌「さくら」の表紙に漫画を採用してもらうなど、徐々に浸透してきたという。北村さんは「これまでにネット配信したストーリーからよりすぐりを冊子にしているが、新たに第2巻の刊行を記念し、市民に広く知ってもらう場を設けようと企画した」と話す。
漫画界の巨匠・手塚治虫の代表作「火の鳥」をモチーフにしたという「おぎまんが」は、地球侵略を目指す「カルチャー星」から派遣され小城に降り立った宇宙生命体が「肥前狛犬(ひぜんこまいぬ)」に形を変え、時代を超えて現地の様子や人々の生活を調査し報告する役目を担う、という設定。地元でなぎなたを習う女子高校生「古里まひろ」と出会ったところから物語は始まり、地元の歴史的建造物や観光スポットを共に訪れ、時にはタイムスリップして市の歴史上の偉人と交流する、という内容。主人公の肥前狛犬は、「火の鳥」さながらに小城の歴史を見届けるシンボルとして描かれている。田舎町に住む女子高校生が時空を超えて冒険するというストーリー展開は、大林宣彦監督の映画シリーズ「尾道三部作」を参考にしたという。
展示会では、小城乃さんが手掛けた原画や作品に登場する小城市内各所の写真を展示、作品ができるまでのプロセスを紹介したパネルを設置するほか、新冊子、ポストカード、ポスターを数量限定でプレゼントする。2月2日は小城乃さんを迎え、サイン会と似顔絵プレゼントを予定する。
北村さんは「『おぎまんが』には、あまり知られてない小城出身の歴史上の人物が多数登場し、とても勉強になり、地元にこんなすてきな場所があったという発見もできる。漫画ファンはもちろん、地元以外の人でも十分に楽しめる展示会になっているので、作品だけでなく小城をもっと知ってもらい、より好きになってもらえれば」と呼び掛ける。
開館時間は8時30分~22時。入場無料。2月7日まで。