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佐賀の歴史景観形成地区「柳町」の書籍発行 古民家再生のまちづくり発信

書籍「柳町」のプロデュースと構成を担当した「うなぎの寝床」白水高広さん

書籍「柳町」のプロデュースと構成を担当した「うなぎの寝床」白水高広さん

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 佐賀市柳町地区の事業者で構成する「柳町のれん会」は3月24日、同地区の「商う人々」「文化財活用リノベーション」「歴史」を発信する書籍「柳町」を発行した。

「柳町」完成イベントとして行った柳町地区歴史建築探訪会「ブラトミタ・ブラミノリ」

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 長崎街道が通る佐賀市柳町地区は、明治や大正期の旧家や銀行の建造物が現在でも残る歴史景観形成地区。佐賀市が佐賀出身の建築家、「OpenA」の馬場正尊さんと連携して企画した「古民家再生プロジェクト」で、元履物問屋だった「旧久富家」と元煙草屋だった「旧森永家」を2015年2月にリノベーション、IT企業が運営するものづくりカフェや和紅茶屋、伝統工芸店などが古民家を生かした「商い」を始めた。

 入居から1年、同プロジェクトと柳町地区を「柳町」ブランドで発信したいと同会が本の発行を決め、佐賀・小城市出身、福岡県八女市でものづくりアンテナショップ「うなぎの寝床」を運営する白水高広さんが編集長を引き受けた。当初、30ページ程度の「冊子」の制作予定だったが、白水さんの同地区の「商う人々」やリノベーションコンセプトや歴史についての取材活動で、佐賀人のコツコツとした気質と事業の奥深さに触れ、内容が大きく膨らみ168ページの「本」となったという。

 同書とこれとリンクするウェブサイトの完成を記念し同日行われたイベント。第1部は「鍋島報效会(徴古館)」の主任学芸員、富田紘次さんの歴史的な観点、「OpenA」の鈴木みのりさんの建築的視点で同地区を案内する探訪会「ブラトミタ・ブラミノリ」を開催。第2部では馬場さんや柳町の入居者などで討論会を行い、同書の有効活用と地区運営の仕組みについての議論を行った。

 白水さんは「この本とウェブサイト、イベントを軸に柳町の発信、商品やコンテンツづくりにつなげ、補助金に頼らない歴史地区の持続可能な運営の後押しをしたい」と話す。

 同会主催のイベントなどで配布するほか、今後書店での販売も予定する。

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