佐賀市の神野公園(佐賀市神園4)で4月14日、「江藤新平卿銅像まつり」が開催された。主催は佐賀市観光協会。
「佐賀の七賢人」の一人であり、明治政府の初代司法卿(法務大臣)として近代的な法整備に力を注いだ江藤新平。その偉業を記念して江藤の命日の4月13日に合わせて、1976(昭和51)年4月14日、神野公園に銅像を建立した。これを記念して銅像設立以降毎年、神事と式典を開いている。
当日は朝から雨が降る中90人近くが参加した。コーディネーターとして関わった菖蒲謙朗さんによると、雨が降ったのは今年が初めてという。邪気払いの祝詞(のりと)奏上と玉ぐし奉てんの神事を終えると、佐賀市観光協会の山口雅久さんはあいさつの中で「明治維新150年の今年、初めて雨が降ったのは、自身の偉業が佐賀の地に染みわたり根付くよう、江藤が雨に姿を変えたものではないかと考えている。今日は式典を通じて、近代司法の父である彼の偉業を感じてほしい」と話した。また、2008年以降ほぼ毎年仙台から参加している社会人の早坂愛生(あおい)さんを紹介。参加者からは拍手が送られた。
式典では江藤作の和歌と江藤の死をしのぶ漢詩を交互に並べた「構成吟」の奉納のほか、「佐賀の八賢人おもてなし隊」による江藤新平と島義勇を主人公に佐賀の乱を描いた歴史寸劇「さがんもん」も披露され、笑いと感動を織り交ぜた寸劇に会場全体がくぎ付けになった。祭りの最後には江藤新平のひ孫にあたる江藤兵部(ひょうぶ)さんが登壇し、「あいにくの雨にもかかわらず、祭りに参加してくれた皆さんに感謝しかない」と礼を述べた。
早坂さんは「銅像まつりは私にとって一年の始まり。江藤の魅力にも、佐賀の人の温かさにも触れられるいい時間を過ごせた」と笑顔を見せる。菖蒲さんは「今年は明治維新150周年ということもあり、特に思い入れが強い年になった。この祭りを通して、主催者としてこれからも彼の功績を多くの人に伝えていきたい」と話す。