「Cygames(サイゲームス)」佐賀デバッグセンター(佐賀市駅前中央1)で2月17日、佐賀にゆかりある人を講師に若者の可能性のきっかけをつくるという講座「弘道館2」の4時間目が開かれた。主催は佐賀県。
「弘道館」は1781(天明元)年、佐賀藩第8代藩主の鍋島治茂が設立し、10代藩主の鍋島直正が佐賀城北堀端(現在の佐賀県警察本部~佐賀中央郵便局の一帯)に移転拡充させた藩校。生徒同士で討論するなどの「自学自習」の学び方が特徴で、「佐賀の七賢人」といわれる大隈重信や江藤新平、佐野常民、副島種臣なども同館で学んだほか、岩倉具視が自身の息子を京都から留学させたという。
明治維新150周年に合わせて、「弘道館」の学び方を21世紀風にアレンジし、「道を弘(ひろ)げる」をコンセプトに「目を輝かせる若者をつくりたい」と、佐賀市出身で広告代理店「電通」のクリエーティブプロジェクトディレクター、倉成英俊さんが佐賀県に企画提案し、実現にこぎ着けた。倉成さんは「目付役」として講座をサポートする。
4時間目の会場の「Cygames佐賀デバッグセンター」は、同社の渡邊耕一社長が佐賀県伊万里市出身という縁で佐賀県、佐賀市と進出協定を締結し、昨年7月に開設。現在、地元を中心に約50人がデバッグ業務に就いているという。講座には中学3年生から24歳までの若者30人が参加。同センターの平岡徹也センター長を講師に、同社の紹介、デバッグセンターの役割、業務を説明があった。
「デバッグ」とはゲーム開発におけるプログラム上の欠陥「バグ」を発見し、報告するという役割。「仕様書通りに動いていない」「ゲーム内での用語の不統一」「機種による不具合」などさまざまなバグを発見、報告しているといい、1ゲームにつき全てのバグがなくなるまで続けるという。平岡さんは「県内の各所で『実直で粘り強い県民性』と聞き、佐賀はデバッグセンターに適していると感じた。すでに東京とほぼ同じ仕事ができている」と紹介する場面もあった。
平岡さんの講義の後、参加者はワークショップで同社が開発するゲーム「グランブルーファンタジー」と「ペーパーダッシュワールド」を使ってデバッグを体験。参加者から「デバッグを仕事として取り組むとはすごい」など、ゲームの中の大事な役割を果たしていることを実感していた。
次回「5時間目」は3月25日、佐賀県の山口祥義知事を講師にディベート付き読書会「会読」を開く予定。現在、参加者を募集している。締め切りは2月28日。