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佐賀大学美術館で「なんでそんなんエキスポ」 日常の癖などの作品展示

「なんでそんなんエキスポ」で展示されている、3歳の男の子・ハルタニくんの癖を父が発見した作品「オボットくん」

「なんでそんなんエキスポ」で展示されている、3歳の男の子・ハルタニくんの癖を父が発見した作品「オボットくん」

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 よく分からないものにツッコミを入れて楽しみを見いだす博覧会「第4回なんでそんなんエキスポ佐賀」が現在、佐賀大学美術館(佐賀市本庄町)で開催されている。

佐賀大学美術館の「なんでそんなんエキスポ」で展示する、天真爛漫でパワフルな村木美乃里さんの癖を「ぬかスタッフ」が発見した作品「ガムテープのタネ」

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 「なんでそんなん」は、岡山県早島町の生活介護事業所「ぬかつくるとこ」が2020年から行っているプロジェクト。自分の語彙(ごい)では捉えることができないさまざまな「よく分からないこと(=理解しがたいこと、未経験)」に出会った時に「何でやねん」とツッコミを入れて面白く捉え直すこと。人が行う営みをできるだけポジティブに捉え、楽しむための方法を模索する取り組み。

 同所では施設利用者(=ぬかびとさん)の「何重にも巻かれたセロハンテープの上からマジックで書いた文字を水で洗い流し、最後にはビリビリに破かれるファッション雑誌」「他者が描いた絵をスタッフルームの扉と床の隙間から何枚も差し込む行為」などの癖やこだわりを「うまみ」ととらえ、「何ででやねん」とツッコミを入れて面白く捉え直すことで、無理せず過ごせる生活の場づくりをしているという。

 同所は、日常生活の中で「何でそんなん」の発見者の発掘を目的に、2021年から「なんでそんなん」を募集し、表彰する「なんでそんなん大賞」と、これらの作品を展示する「なんでそんなんエキスポ」を開催。エキスポはこれまで、2021年2月に岡山県玉野市、2022年2月に高知市、2024年10月に岐阜県関市で開催しており、佐賀での開催は4回目になる。

 会場では、天真爛漫でパワフルな村木美乃里さんの癖を「ぬかスタッフ」が発見した作品「ガムテープのタネ」、就労支援B型事業所「青い空」で仕事する辻野正三さんの癖を福岡知之さんが発見した作品「補強したカッター机」、3歳の男の子・ハルタニくんの癖を父が発見した作品「オボットくん」、知覚過敏なリュースケくんの癖を父が発見した作品「靴下長族」などの「何でそんなん」の作品を展示するほか、今年8月~11月に募集した「第6回なんでそんなん大賞」の応募作品249件と大賞作品を展示する。

 学芸員の五十嵐純さんは「日常の中にあるささいなことが視点を変えることで、広い意味での表現になるということに気づくきっかけになるエキスポ。作品展示を通じて『わからないこと』を楽しんでもらえれば」と話す。

 開館時間は10時~17時(最終入場は16時30分)。月曜(月曜が祝日の場合は翌日)、12月28日~来年1月6日・17日・18日休館。入場無料。来年1月25日まで。

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