
佐賀大学医学部付属病院(佐賀市鍋島5)肝疾患センターが佐賀市内の飲食店6店舗とコラボした「肝臓にうれしい」をコンセプトにしたメニューの提供が7月27日に始まる。
「肝臓にうれしい」をコンセプトに、ホテルニューオータニ佐賀「日本料理 楠」で提供する「ありた鶏つくねバーグ御膳(7月27日~8月8日)
同センターは、佐賀県内の肝疾患の診断・治療・予防・情報提供を一貫して行う拠点施設。佐賀県が都道府県別・人口10万人当たりの肝がん粗死亡率が全国平均を大きく上回り、1999(平成11)年から全国ワースト1位が続いていたことから、死亡率の低下を目指し、県との協定に基づき、2012(平成24)に開設。ウイルス性肝炎を中心とした対策として、「予防」「受検」「受診」「受療」「フォローアップ」の5つのステップに分け、関係機関が連携して各段階で患者を支援。併せて、県民への肝がん・肝炎に関する講演や肝炎・肝がんの予防や治療に資する活動や研究などを行っている。これらが奏功して、2019年に死亡率全国ワースト1位を脱却したが、引き続き高い死亡率の低下を目指した取り組みを続けている。
「肝臓にうれしい」をコンセプトにしたメニューの提供は、世界保健機関(WHO)が定める「世界肝炎デー」(7月28日)に合わせて2022年から毎年実施し、今回で4回目。各店のシェフと同センター特任助教で管理栄養士の原なぎささんが連携し、ランチメニューを共同開発。いずれの店のメニューも、野菜を150グラム以上、タンパク質を10グラム以上使い、低脂肪・低カロリーに調整。佐賀県産高オレイン酸大豆や佐賀の赤酢なども使う。
提供するメニューは、ホテルニューオータニ佐賀「日本料理 楠」(与賀町)=「ありた鶏つくねバーグ御膳」(2,200円、7月27日~8月8日)、サガテレビ「JONAI SQUARE CAFE(ジョーナイスクエアカフェ)」(城内1)=「ありたどりと大豆のごちそうシシリアンライス」(1,200円、7月28日~8月3日)、佐賀県庁「さがんレストラン志乃 県庁店」(同)=「さくらボークと大豆のシシリアンライス」(1,320円、7月29日~8月29日)、佐賀空港「さがんレストラン志乃 空港店」(川副町犬井道)=「超ヘルシーマジェンバ」(1,320円、8月1日~31日)、溝上薬局・みずがいえ「あい菜食堂」(水ケ江1)=「肝臓にうれしい夏の彩り御膳」(1,500円、8月4日~8日)、佐賀大学病院「FOOD FACTORY FLEX」(鍋島5)=「まぜんば冷やし担々麺」(1,200円、8月25日~29日)。
原さんは「『肝臓にうれしい特別ランチ』は、食の力で肝臓を守る地域発の継続的な啓発活動として年々広がりを見せている。ウイルス性肝炎にとどまらず、脂肪肝や代謝性疾患などを含む肝疾患全般の予防啓発を目的に、日々の食事から健康を見直すきっかけづくりを目指したい」と話す。