佐賀女子短期大学こども未来学科准教授の佐貫巧さんが主宰する子ども向け現代芸術教室「アートイズ」が、旧枝梅酒造を改装したアートスペース「EDAUME(エダウメ)」(佐賀市八戸1)で行われている。
「アート傘で雨を楽しもう」をテーマに開催した「アートイズ」の様子
静岡県出身の佐貫さんは2013(平成25)年から今年3月まで、青森県八戸市にある大学で幼児教育に関わる学科の教員を務めた。今年春、佐賀女子短期大学こども未来学科の教員募集に応募し、採用が決まったことから八戸から佐賀に家族で移住した。
アートイズは佐貫さんが2014(平成26)年から八戸市を拠点に開講してきた造形教室。現代美術を基本概念に造形教室に付加価値を与え、作るだけではなく作る方法を学び楽しむもの。佐貫さんが子どもたちに芸術を教えながらも、「伝わる教え方」を研究するため、佐貫さんの元で学ぶ大学生も教室運営に参加している。佐貫さんは引き続き佐賀でも教室を開きたいと、4月以降、佐賀市内で開催場所を探す中、アートスペース「エダウメ」に出合ったという。佐貫さんは「一般的な施設と違い、エダウメは絵の具などを気兼ねなく使える広い空間があることから教室には最適。八戸(はちのへ)から移住した私が佐賀市八戸(やえ)にある『エダウメ』で教室を開くことにも縁を感じた」と振り返る。
5月28日に開講した佐賀でのワークショップは、これまで2回開催。1回目は「はち合わせアートに苗を植えよう」をテーマに、植木鉢をキャンバスに見立て専用絵の具を使って鉢に絵を描く教室に8人の子どもが参加。2回目の6月4日には、「アート傘で雨を楽しもう」をテーマに、透明なビニール傘に専用の絵の具で絵を描き、シールを貼る教室に13人の子どもが参加した。教室には、佐貫さんの元で学ぶ同短大生も研究の一環で運営参加。7月以降も月1回程度、ワークショップを開いていくという。
佐貫さんは「子どもを連れてきた親が一緒になって真剣に絵を描く場面もあり、子どもとの会話の一つになれば。佐賀の子どもたちに、この教室通じて芸術の楽しさが少しずつ広がれば」と思いをこめる。