佐賀市内に拠点を置くNPO法人「さが市民活動サポートセンター」が運営する「TOJINシェアハウス」(佐賀市唐人2)に現在、19歳~20代前半のベトナム人12人(男性2人、女性10人)が佐賀で日本語を学ぶため短期滞在している。
短期滞在は5月14日まで。その後、今月中旬から約2年間、福岡県内の空調設備メーカーの製造ラインや介護施設の食堂の調理場などで、それぞれ技術研修を予定する。その前に「ヒューマンアカデミー日本語学校佐賀校」(佐賀市松原2)で日本語を学ぶために訪れ、同シェアハウスに滞在しているという。
同校は、佐賀県内の大学・短大への進学を目指すアジアからの留学生の日本語教育の場の提供を目的に全国25都道府県で62校のスクール事業を行う「ヒューマンアカデミー」(東京都新宿区)が佐賀県と提携し、同アカデミー初の産学官連携校として2015年4月に開いた。学習奨励費制度やアルバイトの紹介などの生活支援、地域行事の案内や自然と伝統文化を体験するツアーを行うなど座学以外の「学び」の場を積極的に提供している。現在ベトナム、ネパール、中国などのアジアやスリランカの留学生約80人が学んでいる。
一方、現地ベトナムでも多くの日系企業が進出していることで、日本で技術を学び故郷の同じ企業で貢献したい若者が増えていることから、同校は日本での技術研修前の日本語教育の場としての受け入れを決めたという。今回、同校で学ぶベトナム人は「ヒューマンアカデミー技能実習生」として日本語と技術研修中の日本での生活で基本ルールなどを学び技術研修に備える。2年間の研修期間後にはベトナムに帰国。学んだ技術を、進出する日系企業などで生かすという。
同校事務局の西村卓さんは「海外からの語学研修生にとって佐賀は生活費が安いのがメリット。生徒100人を目指し今後も留学生を受け入れるのに合わせ、技能実習生の受け入れも続け、今後、県内の企業から引き合いが有れば研修先にしていきたい」と話す。