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佐賀のノリ漁師のピアノ挑戦を描いた映画「ら・かんぱねら」上映へ

映画「ら・かんぱねら」1月31日の初日のあいさつに立った南果歩さん(右から2人目)ら

映画「ら・かんぱねら」1月31日の初日のあいさつに立った南果歩さん(右から2人目)ら

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 佐賀のノリ漁師によるピアノ曲「ラ・カンパネラ」演奏の挑戦を描いた映画「ら・かんぱねら」の上映が1月31日、イオンシネマ佐賀大和(佐賀市大和町尼寺)で始まった。

映画「ら・かんぱねら」でピアノに挑戦する俳優の伊原剛志さん

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 俳優の伊原剛志さん演じる徳田時生はノリ漁師になって30年以上。ノリの繁忙期が終わる度に気が抜けたようにパチンコに明け暮れていたが、ある日、テレビからフジコ・ヘミングさんの「ラ・カンパネラ」の演奏が聞こえ、衝撃が走ったことがきっかけで、「自分も弾いてみたか」と楽譜も読めない時生がノリ漁と並行してピアノに挑戦するストーリー。

 映画のモデルになった佐賀市川副町在住のノリ漁師・徳永義昭さんは2015(平成27)年、52歳の時にピアニストのフジコ・ヘミングさんが演奏するフランツ・リストのピアノ曲「カンパネラ」をテレビで聴き感動したことがきっかけで、全く楽譜を読めないところから独学でピアノを始めた。最初の1年間は1日8時間から10時間の練習に励み、7年後の2022年、テレビ番組の企画でフジコ・ヘミングさんの前で「ラ・カンパネラ」を演奏する機会に恵まれ、その後、フジコ・ヘミングさんの依頼でコンサートの前座を3回務めた。徳永さんは現在、ノリ漁の傍ら、メディア出演や全国からの依頼で演奏活動も行っている。

 映画化のきっかけは、今回、メガホンを取った映画プロデューサーの鈴木一美さんが徳永さんの「ラ・カンパネラ」の演奏を映像で見たことから。2020年に徳永さんを訪ね、映画製作の許可をもらい、実現に向けて佐賀で支援の輪を広げた。2023年10月に市民による「支援する会」が発足。団体が主体となり、2億円の製作費用のうち、1億5,000万円をさまざまな方法で集めた。撮影は佐賀市内を中心に、同年10月から昨年4月にかけて行われ、昨年秋に完成した。

 31日に行われた初日上映では、妻・奈々子役の南果歩さん、「支援する会」顧問の山口祥義佐賀県知事や坂井英隆佐賀市長、会長の陣内芳博さんがあいさつした。1日には、伊原剛志さん、南果歩さんによる上映後のあいさつのほか、イオンモール佐賀大和で公開記念応援イベントとして、伊原さん、南さんのトークショーや徳永さんのピアノ演奏などが行われた。

 イオンシネマ佐賀大和での上映は3月6日まで。

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