佐賀市中央大通りに「完成」した「街なか唐人美術館」が、商店街の川柳を書いたタペストリーと「世間遺産写真」で通りをにぎわせている。
「街なか唐人美術館」事務局担当 「佐賀一品堂」の城島正樹さん
JR佐賀駅から南に延びる中央大通りは、近年のマンションなどの立地に合わせて通行量が緩やかに増えており、過去には「シャッター通り」とも言われていた唐人町商店街で店を開く人も少しずつ増えている。2015年には同商店街店主の集まりである「唐人町商店街振興組合」に青年部が復活した。
同美術館は、唐人町そのものをまさに「美術館」に見立て、店主たちと市民が一緒に歩きながら街の歴史を学び、学びを通じて写真や作品に仕立てて通りに飾る企画。同商店街を市民に親しんでもらい、各店の来店に少しでもつなげようと、同組合が昨年秋から始めた。
第1弾として2015年12月、「唐人町街なか歩き 『世間遺産』撮影&放談会」を開催。プロカメラマンが街の写真を撮るコツを指導し、街の歴史を教える地元ガイドの先導で参加者が撮影。写真を紹介するキャプションにつなげるディスカッションで会を盛り上げ、26点の「作品」を完成させた。
今年2月に第2弾として「美術館」に掲げる唐人町を表現した川柳を募集。合計約80点の作品が集まり、3月24日、40点を選び手書きのタペストリー「作品」に仕上げ、第1弾で完成した写真とともに同商店街の通りで展示を始めた。
同美術館の事務局担当で同商店街の「佐賀一品堂」店主、城島正樹さんは「作品の中には分かる人にだけ分かるという身内作品もあるが、佐賀の人の生活を感じる作品も多く、美術館の成果には手応えを感じでいる。通りをクスッと笑いながらゆっくり歩いてほしい。われわれ店主の店づくりにもつなげたい」と話す。