
昭和をイメージした架空の商店街「マキジャク商店街」の展示イベント「昭和も今年で100年 大感謝祭」が現在、「makijaku(マキジャク)製作室」(佐賀市川原町)で行われている。
「マキジャク商店街」の架空のレコード店「レイコウ堂」でのレコードジャケット展示の様子
マキジャク製作室は、個人やグループが制作する出版物「ZINE(ジン)」の制作やワークショップなどを行う大島裕可里さんが開いた店舗兼アトリエ。2017(平成29)年に自宅として購入した中古住宅の一部を活用して開いた。大島さんは「長崎出身の私と夫は、古い借家でも心地良かったが、ペットを飼いたいと思ったことがきっかけで、築50年超の中古の住宅を購入した」と振り返る。同アトリエではこれまで、ワークショップやイベントなどを開催してきた。
大島さんと日本画家でデザイナーの大串亮平さん、アーティストの立石覚さんらが企画した今回の「商店街」。フェルト作家の「おかゆ」さんが「昭和時代の菓子のパッケージのフェルト作品を展示したい」と提案したことがきっかけで、昭和をイメージした架空の商店街の展示イベントを企画。大串さんも「以前からやってみたかった」という「昭和元年に創業し、今年100年目を迎えた」という架空のレコード店「レイコウ堂」を「出店」し、実際のレコードに代わり、事前に募集したレコードジャケットをデザインした作品を展示。ほかに、15年以上古い文具を集めている「文具ちゃん」の文具の展示や、「編集工房edico」の高橋香歩さんと兄の明歩さんが集めた昭和の古本の展示・販売を行っている。
大串さんは「若い人の中にはレコード自体を知らない人もいるが、ジャケット作品募集には子どもを含む幅広い年代から100を超える作品が集まり、作品発表の場になって良かった。レコードはもちろん、昭和を感じさせるさまざまなアイテムを通じて、昔の記憶を思い出す人もいた」と話す。
大島さんは「架空の商店街を想定し、あちこちに工夫を施し、これまでにない表現の場になった。昭和を感じる空間は、今となっては非日常の懐かしさを感じてもらえるのでは。ぜひ足を運んでほしい」と呼びかける。
開催時間は10時~16時。入場無料。今月29日まで。