佐賀市の「市民活動プラザ」(佐賀市白山2)で1月24日、「NPO向け・遺贈寄付研修」が行われた。主催は公益財団法人「佐賀未来創造基金」。
同財団スタッフによると、遺言書を作成し、死後に遺産を公益性の高い団体などに譲渡する「遺贈寄付(レガシーギフト)」は、災害支援などをきっかけに近年、遺産の一部を社会貢献として活用したいと願う人たちが増えているという。
同財団では、寄付先や手続きについての情報が少ないことから、全国的なプラットフォームを作ろうと昨年11月、NPO「日本ファンドレイジング協会」など全国14団体で「全国レガシーギフト協会」を立ち上げ、遺贈寄付に関する情報発信や普及啓発、相談窓口を設けるなどの活動を始めた。同財団は協会設立時にその加盟団体として加わった。
研修には地元でNPOを運営する38人が参加。NPO「日本ファンドレイジング協会」の山北洋二さんと税理士の江波千佳さんを講師に招き、遺贈寄付ハンドブックをテキストに、遺贈寄付や遺言や相続に対する基礎知識と注意点、受け入れに対して今後何をすべきかなどを学んだ。
山北さんは「地域の課題解決も『地産地消』と捉えている。遺産の一部を社会貢献に役立てたいと考える方が少しずつ増えているが、地域課題解決活動への取り組みの発信がなされていないことで、知名度の高い国際的団体へ寄付する方も多い。故人の意思を生かし、地域コミュニティの活性につながる『遺贈寄付』を地域のために活動する方などにもっと知ってほしい」と話す。