佐賀県は、宅配の再配達を削減することを目的に、宅配ボックスを設置する戸建て住宅や集合住宅向けに設置費用の一部を支援する「佐賀県宅配ボックス補助金」の申請受付を6月20日に始めた。
佐賀県が制作し、宅配時に不在だった家庭に配布する再配達削減を呼びかけるチラシ
国土交通省が6月21日に公表した宅配便再配達率のサンプル調査によると、今年4月の再配達率は約10.4パーセントで前年同月と比べて約1.0ポイント減り、昨年10月と比べて約0.7ポイント減ったものの、総配達数が引き続き増加していることから、再配達の大きな削減には至っていない。物流の「2024年問題」へ対応する同省では、宅配便の再配達率削減を目的に宅配ボックス設置に対する支援策を実施している。この施策は、全国の自治体でも徐々に広がっており、佐賀県内では2020年度に武雄市で行われたほか、今月からは鹿島市で同様の施策が始まった。
佐賀県が行う補助制度は、県内に所有する戸建住宅に設置する宅配ボックスや、県内に所有または管理する集合住宅での共用使用を目的に設置する宅配ボックスが対象で、6月20日以降に新品として購入、設置するもの。大きさや盗難防止などの条件もある。対象経費と補助額は、戸建住宅が2万円(税抜)以上の経費に対し補助額1万円、集合住宅が10万円(税抜)以上の経費(付属品・設置施工費用を含む)に対し補助額5万円。ただし、県内の市町から補助を受けている場合、この補助額を差し引いた額の1/2か、補助額(戸建て=1万円、集合住宅=5万円)のいずれか少ない額となる。
補助申請は、佐賀県中小企業団体中央会(佐賀市白山2)で受け付ける。8月30日まで。ただし、予算上限に達した場合は受け付けを終了する。
また、県では再配達削減に向けたチラシを制作。ヤマト運輸の協力のもと、宅配時に不在だった家庭5万件に配布する。