架空の国「佐賀シシリアンライス王国」の初代国王を務めた秀島敏行・佐賀市長が8月24日、同国の国王を退任した。
「佐賀シシリアンライス王国」の初代国王を務めた秀島敏行・佐賀市長と、シシリアンライスPRキャラクター「シシリアンナちゃん」
佐賀市ご当地グルメ「シシリアンライス」は、温かいご飯の上にレタス、トマトなどの生野菜と炒めた肉、玉ネギを載せ、仕上げにマヨネーズをかけたワンプレートメニュー。1975(昭和50)年ごろ、飲食店の賄い料理として出されたのが始まりと言われており、市内の喫茶店を中心に提供され、現在、佐賀市内約45店舗のほか、県内の他の市町や県外店舗でも提供されている。
「佐賀シシリアンライス王国」は、2012(平成24)年4月4日に建国された架空の国で、2011(平成23)年7月に同グルメのPRを目的に設立した市民団体「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」が仕掛けた。秀島市長が「国王」に就任し、毎年4月4日の「シシリアンライスの日」に王国の「国民」が佐賀市内の食材を使った特製シシリアンライスを献上し、「国王」が試食したあと、「ししりあーん」とコールするセレモニーを行ってきた。
今年10月22日に佐賀市長の任期を満了する秀島市長は、次期市長選に立候補せず、引退を表明したことから、この日、市長の退任に先立ち、「王国」が主催する「退任式」を行なった。
退任式では、「王国」を仕掛けた市民団体から「国王」に感謝状を贈呈した後、佐賀牛などの県産食材を使用してオムライス風に仕上げた特製シシリアンライスを献上。「国王」が最後の試食を行った。最後に「ししりあーん」とコールし、「国王」の象徴として着用してきたマントと王冠を脱ぎ、「国王」の役目を終えた。
秀島市長は「これまでおいしく楽しくシシリアンライスを食べさせてもらい、国王を努めさせてもらった。まもなく新しい『国王』が誕生すると思いますが、新しい『国王』にもぜひ佐賀のグルメとしてシシリアンライスを世界に広めてもらえるよう皆さんからもお願いしてもらえればありがたいです。ありがとうございました」と礼を述べた。