JR佐賀駅南口
博多駅から特急「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」で約40分の位置にあるJR長崎本線・佐賀駅。JR九州によると、1日あたりの駅別乗車人員は1万2624人でJR九州内では10位に入る(2018年度)。平日の朝7時台に上り特急列車が5本(土曜・日曜・祝日は4本)運行され「座って通える」確率も高いことから博多方面への通勤、佐賀市外から市内の高校への通学など、県庁所在地駅の中では普段の生活での利用比率が高いと考えられる駅の1つ。また、福岡天神から佐賀駅バスセンターまで西鉄高速バスで約1時間20分とバスを利用した福岡方面への通勤も見受けられる。
佐賀駅南口で1979(昭和54)年から営業してきた「西友佐賀店」が、2018(平成30)年3月に閉店して以降、駅周辺では少しずつ変化が見られるようになったと感じる。「西友佐賀店」跡地にはすでに新たな建物がほぼ完成し、新たな出発を待つばかりとなっている。また、2023年に佐賀県で開催される「国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」に向け、佐賀県総合運動場・総合体育館エリアの「SAGAサンライズパーク」の整備に合わせて、佐賀駅周辺や北口から伸びる県道の整備も予定されている。
この特集では、2020年3月時点で見受けられる佐賀駅周辺の変化について、改めて記録としてまとめていく。
「コムボックス佐賀駅前」
佐賀駅南口「西友佐賀店」跡には、「ダイワハウス工業」子会社の「ダイワロイヤル」(東京都千代田区)が運営する「コムボックス佐賀駅前」が2020年6月に開業予定。「西友」だった頃は4階建ての建物でしたが、「コムボックス」は2階建て。すでに建物が完成し、引き続き建物内部の工事を進めている。店舗面積は約3200平方メートル。
現在、入居が決まっているテナントは、JAグループのスーパーマーケット「Aコープ」と産地直売所「街かど畑」、JA全農のカフェ、佐賀市観光案内所。AMラジオ局「NBCラジオ佐賀」(本庄町本庄)は佐賀大学近くで約60年稼働してきた局舎が老朽化していることから同ビルへの移転を決めている。
2020年2月末に営業終了した「東横イン佐賀駅前」
佐賀駅南口の「東横イン佐賀駅前」は2020年2月29日の宿泊を最後に営業終了した。同ホテルの建物は1981(昭和56)年4月に「佐賀東急イン」として開業し、2001(平成13)年3月まで営業。客室などをリニューアルし「東横イン佐賀駅前」として営業してきた。この建物は2020年中に解体、同地に新しい「東横イン」を建築予定。建築計画によると、着工は2020年12月、完成は2022年1月で、14階建てのホテルになる予定。
佐賀駅北口すぐの場所で建設が始まったテナントビル(2020年2月末撮影)
佐賀駅北口すぐの場所で、過去には飲食店や和菓子店が入居していた建物も解体され、現在、店舗・事務所用の7階建のテナントビルの建設が始まっている。今年11月の完成予定。
4月オープン予定の「JA佐賀市中央」新本店ビル
JA佐賀市中央(佐賀市栄町)は、旧西友佐賀店」駐車場の南東側の一角で佐賀市役所西側に3階建ての新しい本店ビルを建設、すでに完成している。佐賀駅バスセンター東側でJR長崎本線そばの現在の本店ビルから移転、4月から営業を始める。
「Cygames佐賀ビル」
スマートフォン向けゲームを手掛ける「Cygames(サイゲームス)」(東京都渋谷区)は、JR長崎本線の北側に5階建の自社ビル「Cygames佐賀ビル」を建設。建物はほぼ完成しており、4月から稼働を始める。これまで佐賀駅南口の「アイスクエアビル」(駅前中央1)に入居していた「Cygames佐賀デバッグセンター」が同ビルに移転し、新たに「Cygames佐賀スタジオ」とテナントが入居する予定としている。
佐賀駅は、1976(昭和51)年に現在の場所に移転し、高架化されて約44年。この間、郊外にショッピングモールがオープンするなど市内の人の流れの変化で駅とその周辺も緩やかに変化してきた。佐賀市は「佐賀駅周辺整備基本計画」を策定し、2020年度から北口広場をはじめ、駅北口の「市道三溝(みつみぞ)線」、南口広場の再整備を予定している。これらもあわせ、駅とその周辺はちょっと大きな変化になるかもしれない。
「佐賀駅周辺整備基本計画」から佐賀駅南口の整備イメージ
【関連記事】
JR佐賀駅近くに「サイゲームス佐賀ビル」 今春完成に向け最終工事進む(2020年2月13日配信記事)
「東横イン佐賀駅前」が2020年2月末閉館へ 約40年使用したビルの建て替えで
(2019年7月13日配信記事)