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佐賀自衛隊広報キャラ「まーべりっく」誕生1年 人気じわり、応募増目指す

自衛隊佐賀地方協力本部の広報キャラクター「まーべりっく」(中央)と、佐賀募集案内所の広報官・山口晃志郎さん(左)、川上真紀子さん(右)

自衛隊佐賀地方協力本部の広報キャラクター「まーべりっく」(中央)と、佐賀募集案内所の広報官・山口晃志郎さん(左)、川上真紀子さん(右)

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 自衛隊佐賀地方協力本部の広報キャラクター「まーべりっく」が誕生して12月で1年がたった。

自衛隊佐賀地方協力本部の広報キャラクター「まーべりっく」を全面に描いたラッピングバス

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 まーべりっくは、映画「トップガン」の主人公、ピート・ミッチェル(=マーヴェリック)に憧れる自称パイロット。アメリカ出身の佐賀育ちで、好きな飲み物は「コカ・コーラ」。カッコつけてるけどおっちょこちょいで、憎めない。自衛隊の広報活動を通じて、「佐賀のみんなに愛されたい」と活動している、という設定のキャラクター。

 「まーべりっく」が誕生したきっかけは、自衛隊の人手不足から。佐賀地方協力本部によると、佐賀県の入隊人数は2021年の154人に対し、2024年は89人に減少。若年人口の減少や民間企業との人材獲得競争の激化に加え、これまで「精強さ」や「即応態勢」、「不撓不屈の精神」など、「かっこよさ」や「憧れ」のイメージでの自衛隊の広報活動をしてきたが、若年層の多くに「キツそう」「厳しそう」などと心理的ハードルが高いと思われるように感じたこともあるという。広報室の大竹和奏さんは「佐賀市内の高校生と話をする機会があった時に自衛隊の印象を聞いたところ、『カッコいいけど、職業の選択肢には入らない』という意見を多くもらった」と振り返る。

 「若い人に親しみを感じてもらい、自衛隊を職業の選択肢の一つに加えてもらうにはどうしたらいいか」と考える中で、インパクトある広報キャラクターを誕生させようというアイデアが出たことから昨年12月、「まーべりっく」が誕生した。

 普段は佐賀市役所近くの「佐賀募集案内所」で広報官を務める隊員が扮する「まーべりっく」はこれまでに、インスタグラムでの情報発信やテレビCM出演、佐賀市内の3カ所への大型看板の設置、佐賀市営バスにラッピングバスを走らせるなどの露出を行なったほか、幼稚園や保育園、子ども園での園児とのふれあい、佐賀バルーンフェスタなどのイベントへの出張で自衛隊をアピール。吉野ヶ里町の陸上自衛隊目達原駐屯地を「まーべりっく」と巡るツアーも企画するなどし、徐々に人気を集めるようになったという。

 大竹さんは「『まーべりっく』を知ってもらう人が増えるにつれ、私たちが企画するイベントだけでなく、『まーべりっく』が参加する地域イベントにも足を運んでくださる人が増えたと感じる。ある高校生から『これまで全く興味なかったが、インスタでまーべりっくを知り、自衛隊の仕事に興味を持った』とのコメントをもらい、まーべりっく自ら入隊資料を持って行ったこともあった。今後、県内はもちろん、県外の基地とコラボした仕事内容の発信、まーべりっく以外の広報官が扮したキャラクターと共にPRを続けていきたい」と話す。

 広報室長の神志那俊吾さんは「『まーべりっく』が話題の1つになることで、1人でも多くの若い人の気持ちが『自衛隊はカッコいいけど自分には難しそう』から『自分にも出来るかもしれない』への変化につながれば。隊員応募につなげるために引き続き、親しみを持ってもらえるPR活動を続けていきたい」と話す。

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