
佐賀市川副町のトマト農家・西村洋介さんが出品したトマト「西村洋介が育てました」が4月9日、日本野菜ソムリエ協会(東京都中央区)が主催する「第4回全国トマト選手権」のラージ部門で最高金賞を受賞した。
全国トマト選手権は、農産物の価値向上を目指す青果物の品評会として2022年から開催するイベントで、ラージ部門(100グラム以上)とミディアム部門(31~99グラム)の2部門から成る。3月にエントリーを受け付けた今回のラージ部門には、全国のトマト産地から42品のエントリーがあり、野菜ソムリエで構成する評価員30人が商品名や産地・生産者情報などを全て伏せて、食味のみで審査。評価員全員の合計点数によって、最高金賞・金賞=各1品、銀賞・銅賞=各3品、入賞=11品を選出。西村さんのトマト以外に佐賀県関連では、「古賀とまと農園」(川副町)の「KOGATOMATO」が銀賞を受賞、「JAさが かわそえ光樹とまと部会」(同)の「光樹とまと」が入賞した。
最高金賞を受賞した西村さんは2003(平成15)年に就農。最初の年は農業を営む父の手伝いから始め、翌年トマトのハウスを建てて栽培を始めた。現在、合計2500平方メートルの広さのハウスでトマトを栽培し、「JAさがかわそえ光樹とまと部会」を通じて出荷するほか、近くの直売所「むっちゃん」(川副町西古賀)にも出荷。ほかに、米やジャンボにんにくも育てている。
「JAさがかわそえ光樹とまと部会」に所属しながら、西村さん個人で「全国トマト選手権」に出品したのは、自分の実力を試したかったからだという。「知り合いから、『市内のスーパーで西村さんのトマトを買った』と言われ、自分が出荷していない場所でおかしいと思ったら、町内でトマト栽培する同じ名字の人のトマトだった。フルネームで自分のトマトを知ってもらえるようにしたい」と、選手権には「西村洋介が育てました。」という商品名を付けて初めて応募し、最高金賞を受賞した。
評価員からは「一口目にしっかりとした酸味を感じ、後に甘みがじわじわと口の中に広がる。青っぽいトマトらしい余韻がある。果肉にもかみ応えがあり、力強い味わいがある」「甘みとうま味のバランスが最高なトマトで、コクがあり、トマト味の良さが引き立つ。果皮もほどよい硬さで食感も楽しめた」「頭一つ飛び抜けていた。濃い甘さの中のかすかな酸味、トマト特有のうまみ。野菜ソムリエのトマト好きをうならせるトマト」などのコメントがあった。
西村さんは「選手権では純粋に味だけで評価してもらい、最高金賞を受賞できてうれしかった。受賞は今後のプレッシャーにはなるが、これからも真摯(しんし)にトマトに向き合い、食べてもらえる人の笑顔と健康を思い大切に育てていきたい」と意気込む。