食材と生産者を特集する情報誌と、その生産者の食材をセットにして届ける「食べる通信」の佐賀版「SAGA食べる通信」が7月29日、創刊した。発行元はNPO「Succa Senca(すっかせんか)」(佐賀市呉服元町2)。
「SAGA食べる通信」創刊記念パーティーに集まった農業生産者や「通信」スタッフと支援者
同誌副編集長の稲田論さんによると、毎号一つの食材を特集し、その生産者の顔や食材に込められたストーリーなどを紹介し、雑誌とともに食材を送る「食べもの付き情報誌」をコンセプトに2013年7月にNPO「東北開墾」(岩手県花巻市)が「東北食べる通信」を創刊。同コンセプトは全国に広がり「全国食べる通信リーグ」を立ち上げ、「消費者と生産者を直接つなぐ」という方針を共有しようという各地の「食べる通信」が次々と創刊しているという。
33カ所目の創刊となる「SAGA食べる通信」は自らも農業生産者である横尾隆登さんが編集長を務め、「熱い思いをもった佐賀の若手生産者をカッコよく伝えたい」と主に20~40代の生産者を「主役」に、彼らが農業に触れたきっかけや生きざま、農業への思いを伝え、「後継者不足」と伝えられることが多い農業生産現場で活躍の姿を伝えたいという。
創刊号の「主役」となった江北町のタマネギ生産者、大串勲さんは自ら生産した「たまねぎ」を手に、スーツにちょうネクタイ姿で表紙に登場、紙面ではたまねぎ生産に携わって8年目という大串さんの子どもの頃からのたまねぎとの関わりから、現在の生産現場での工夫までも書いている。併せて、農林水産省の作況調査によると北海道に続き生産高2位という佐賀県のたまねぎの特長の紹介や、たまねぎ料理のレシピ提案もしている。
稲田さんは「生産者の思いをつめた情報誌とともに食べる料理はよりおいしさが増す。生産者と会員をつなぐサービスを『食べる通信』を軸に農業体験やソーシャルメディアを使った食のコンシェルジュサービスにつなげていきたい」と意気込む。
隔月発行、A3判10ページ。購読料は毎号3,580円。購読申し込みはインターネットで受け付ける。