
小料理店「味のれん はなお」(佐賀市駅南本町)が6月23日、佐賀駅南・佐賀銀行本店北側にオープンした。
佐賀県庁南で昨年7月まで営業し、入居する建物の取り壊しに伴う立ち退きで閉店した同店が約1年ぶりに場所を改めオープンした。店主の野中聖子さんは1998(平成10)年、水ヶ江6丁目に小料理店「あかり」を開業。大財1丁目・愛敬通りに移転した後、2010(平成22)年に、おいの村岡透さんが経営に加わり、2011(平成23)年、水ヶ江1丁目のすし店だった物件に再移転。屋号を「はなお」に改めた。
出店した物件は大雨で浸水しやすい場所だったが、2019年8月の「佐賀豪雨」で床上浸水に見舞われた。古い建物だったこともあり、復旧後もかび臭さが残ったことで大家が建物の解体を希望したことから、そのまま閉店。その後、佐賀県庁南の城内で飲食店だった物件に出合い、2020年2月、5カ月ぶりに場所を改めオープン。その直後のコロナ禍を経て、「店の立て直しを」と思っていたところに、建物の老朽化による取り壊しを希望した大家から立ち退きの要請があったという。
城内の店舗の閉店後、店舗の広さや家賃など条件に合う物件に出合えない中、佐賀銀行北側の飲食店街の一角で、2軒続きを1軒分に改装した物件に出合ったことから新たな出店先に決め、オープンに向けて準備を進めた。
店内の席数は、カウンター10席、テーブル20席。メニューは、ドリンク1杯・小鉢3点盛り・おでん・本日の一品をセットにした「はなおセット」(2,800円)のほか、カウンター上に日替わりでおばんざい(300円~500円)を毎日約15種類用意。おでん(200円~800円)も年間通じて提供。客からの要望でメニューにない料理を作って提供することもあるという。
野中さんは「店を開いてこれまでに本当にいろいろなことがあったが、改めて店を開けるのは助けられていると思う。私にとってこの店が最後と思い、おいを主とした次の世代に引き継ぎつつ、いずれ、店内の一角に座って、お客さまと談笑しながら、ゆっくり店に立てるようになれれば」と話す。
営業時間は17時~23時。日曜・祝日と第2・第4月曜定休。