佐賀県の旧知事公舎「中之小路賓館」(佐賀市中の小路)の秋の特別公開が11月16日から行われる。
中之小路賓館は1891(明治24)年に建てられた和と洋が調和した2階建ての知事公舎で、第3代知事の樺山資雄から55~57代知事の古川康まで歴代42人の知事が住居として使った。佐賀市内に宿泊施設が整備されるまでは県の来賓の宿泊場所としても使われ、1961(昭和36)年には来県した昭和天皇も宿泊されたほか、県の賓客のもてなしの場として長く使われてきた。2015(平成27)年に山口祥義知事就任の際、耐震や危機管理上の観点で住居としての使用を見送ったことから再整備し、2020年に現在の名称に改めた。
中之小路賓館に改めて以降、かつては年間通じて一般に公開していたが、現在は春と秋に期間を限定した特別公開と文化的な催しでの貸し出し対応を行っており、庭園の紅葉が色づき見頃になる時期に行う「秋の特別公開」は2020年から数えて5回目。
期間中の毎日、県華道連合会の11流派挿花を行うほか、11月22日には市内の写真館「ハレノヒ」(柳町)による「家族の撮影会」(有料・限定30組・事前予約制)、11月24日の11時~と14時~は、箏曲グループ「千種会」の和楽器演奏会を行う。11月23日13時から、佐賀大学茶道部による抹茶の振る舞いも今回初めて行う(限定50人)。土曜・日曜・祝日の夜間は庭園をライトアップする。
県資産活用課の椿原淳子さんは「秋の美しい紅葉に染まる庭園に包まれた特別な空間で、ゆっくりくつろいでもらいたい。抹茶の振る舞いや和楽器演奏会などのイベントや夜のライトアップも楽しんでもらえれば」と話す。
開館時間は9時~17時(土曜・日曜・祝日は19時まで)。美化協力金200円(高校生以上)。今月24日まで。