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佐賀・南里邸の企画展に肖像画の額縁を製作 展示の新たな目玉に

日下部米鶴の肖像画を示す末岡暁美さん(左)と南里早智子さん(右)

日下部米鶴の肖像画を示す末岡暁美さん(左)と南里早智子さん(右)

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 佐賀市景観指定重要建造物「南里邸」(佐賀市柳町9)を管理する末岡暁美さんと南里早智子さんが3月、企画展「激動の時代を生きた 佐賀に縁ある女たち」展示用肖像画用の額縁を製作した。

手作りの額縁に収めた日下部米鶴の肖像画レプリカ

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 製作したのは明治時代の外交官・日下部三九郎の妻である日下部米鶴(くさかべよねつる)の肖像画の額縁。末岡さんと南里さんが企画、現在開催する同展では、日下部のほか佐賀出身で日本初の女性科学者となった黒田チカや佐賀出身である夫の石井亮一とともに日本の知的障がい者教育を確立した石井筆子など、佐賀に縁のある7人の女性を展示する。

 末岡さんが米鶴の紹介パネルだけではもの足りないと考え、日下部米鶴の肖像画のレプリカを展示しようと、肖像画を保管する佐賀県立博物館から絵のデータを受け取った。当初は額ごと全て印刷し展示しようと考えていたが、A0サイズの紙でも収まらないことが分かったことから、南里さんと共に肖像画にふさわしい額を新たに作ることにしたという。

 完成した額は縦117センチ横102センチ。博物館のものを忠実に再現した。画材店「キシカワ文画堂」(佐賀市緑小路)のスペースを借り製作、店主の岸川正道さんからアドバイスも受けたという。段ボールを枠の形に切り抜いた後、石こうのような素材であるモデリングペーストを塗りペインティングナイフで模様を入れた。岸川さんやフェイスブックで製作のことを知った有田窯業学校の岩田義實(よしひろ)教授も作業に参加。4人がかりで1日かけて模様を掘ったという。

 その後、より本物の金に見えるよう、アドバイスを基に赤と金のアクリル絵の具を順に重ねた。完成した枠に絵のコピーを貼り付けた後、段ボールを背面に貼り、50号のキャンバスの木枠で補強した。末岡さんによると「何か額を補強したいと思ったとき、50号のキャンバスに描きかけの絵があるのを思い出した。サイズを測るとちょうどぴったり。使えると思い、すぐさま絵をはがして使用した」という。

 南里さんは「段ボールをまっすぐに切り抜く作業や表面をはがして段差を付ける作業が難しかった。途中で少し曲がったりもしたが、かえってそれが味になったと思う」と話す。末岡さんは「完成度には来場者も私たちもびっくりで、段ボール製だといっても信じない人もいるほど。企画展を見る中で、南里さんと私の『力作』にも目を向けてもらえたら」と呼び掛ける。

 開館時間は10時~17時。土曜・日曜・月曜・祝日のみ開館。10月21日まで。入場無料。

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