NHK正月時代劇「風雲児たち」出演者らが佐賀の歴史見学 「解体新書」の実物も

(右から)「風雲児たち」に出演する村上新悟さん、迫田孝也さん、大野泰広さんと歴史タレントの小栗さくらさん

(右から)「風雲児たち」に出演する村上新悟さん、迫田孝也さん、大野泰広さんと歴史タレントの小栗さくらさん

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 佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内2)と佐賀大学地域学歴史文化研究センター(本庄町本庄)に12月29日、NHKで2018年元旦に放送される正月時代劇「風雲児たち~蘭学革命篇(れぼりゅうし)~」の出演者が見学に訪れた。

「解体新書」の実物を前に解説を受ける「風雲児たち」の出演者

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 佐賀市文化会館(日の出1)で12月30日に開催された「NHK正月時代劇『風雲児たち~蘭学革命篇~』カウントダウン・トーク! in佐賀」にあわせ、「蘭学の中心地である佐賀と『風雲児たち』の世界の隙間を埋めたい」という思いから佐賀県政策部企画課の円城寺雄介さんが企画した。「ドラマで描かれる『解体新書』翻訳を巡る物語が江戸から佐賀に繋がる様子を出演者たちにも直接見て、知ってもらいたかった」と話す。

 当日は「風雲児たち」に出演する村上新悟さん、迫田孝也さん、大野泰広さんと歴史タレントの小栗さくらさんが参加、佐賀の幕末史を学んだ。佐賀城本丸歴史館では学芸員の南里昌芳さんの案内で佐賀城内を「探検」。320畳の広さを誇る「外御書院」では当時藩主が座っていた位置に出演者が実際に座り、思いをはせた。出演者にあわせて円城寺さんが、当時家臣が公式行事で座っていた位置の中で一番遠い「四之間」の奥に座ると、藩主との実際の距離に「こんなに遠いんだ」「この距離だと、家臣が何話しているか分からない」と驚く場面も。

 「御料理間(おりょうりのま)」と呼ばれる部屋では、西洋医学の導入や蒸気船の建造、鉄製大砲の完成までの流れなどを見学。当時作られた輸出用陶磁器を前に南里さんからのクイズに挑んだほか、西洋医学と佐賀藩のつながりに関するVTRを視聴した。「探検」の終盤には、南里さんと小栗さんが歴史談義に盛り上がる一幕もあった。

 佐賀大学地域学歴史文化研究センターでは、「蘭学階梯」の写本と日本にわずか30冊程度しか現存していないという「解体新書」の実物を見学。それぞれの書物が出されると、出演者をはじめ一同からは歓声が起こった。案内役の佐賀大学特命教授の青木歳三さんから「どちらも素手で触って大丈夫ですよ」という許可を受け驚く一幕もあった。

 青木さんの解説やショーケース内に展示された「佐賀の蘭学者たち」のパネルを通して佐賀と近代医学のつながりについてより深く学んだほか、「解体新書」に当時の佐賀の医師たちが赤い筆で残した勉強の跡について解説を受ける様子が見られた。迫田さんや村上さんが「解体新書」の中に自身が演じた役柄の名を見つけ喜ぶ姿や、大野さんが自身の演じた役柄の人物について解説を聞き、「いい仕事したな~」と感嘆する姿なども見られた。

 出演者たちからは「風雲児たちで演じた自分たちの時代と佐賀の幕末で起きた『蘭学革命』のつながりを知ることができ、佐賀が日本の近代化を推し進めたのを知ってとても驚いた」「実際の『解体新書』と、その中にある佐賀の医師たちのびっしりとした書き込みを見て、後の世をどれだけ大きく動かしたか実感した」という声が上がった。

 円城寺さんは「明治維新150周年という大きな節目をひかえる中、佐賀が何を成し遂げたか知る人はまだ少ない。その中で今回、出演者たちの中にあった『2つの世界の間の隙間』を埋めることができ、嬉しく思った。今後は今回の出演者たちのように一般の方々にも『風雲児たち』と佐賀のつながりを知ってもらえるチャンスを作れれば」と話す。

 「風雲児たち~蘭学革命篇~」の放送は、総合テレビで2018年1月1日19時20分~20時49分。

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